赤ちゃん返りの症状とは
まず、赤ちゃん返りの子供に見られる具体的な行動を見ていきましょう。
赤ちゃん言葉・指しゃぶりなど
赤ちゃん返りをしていると、言葉や行動に変化が見られることがあります。
具体的には、この前まで「ごはん」と言っていたのに「まんま」と赤ちゃん言葉で話す。
指をしゃぶったり、抱っこをしてもらいたがったりするなど。
卒乳したはずなのに、おっぱいを欲しがる場合もありますよ。
夜泣き
赤ちゃん返りの症状の一つとしては、夜泣きも挙げられます。
夜泣きは1歳半までにおさまることが多く、それを過ぎて一度おさまったはずの夜泣きが再び続くのなら、赤ちゃん返りの可能性がありますよ。
わがまま・乱暴になる
赤ちゃん返り中の子供は、あれをしたい・これは嫌だなど欲求の主張が激しくなり、わがままな振る舞いを見せることがあります。
癇癪を起こしたり、大きな声を出したり、ほかの子供に手をあげてしまったりと乱暴な行動をとることも。
甘える
赤ちゃん返りの症状には、今まで以上に親に甘えるというものもあります。
具体的な行動としては、親にぴったりとくっついて離れようとしない。
食事や着替えなど今までできていたことを、「できない!」「やって!」と言って手伝ってもらいたがる。
ほかの人との話を遮ってでも自分の話を聞いてもらいたがるなどが挙げられます。
赤ちゃん返りの原因
赤ちゃん返りの原因は、さまざまな不満や不安、ストレスを言葉で伝えることができないので、行動で表現しているためと考えられます。
必ずしも弟や妹が生まれたことが原因ではなく、家族全体の変化や子供自身の成長に伴うこともあるので、一人っ子でも赤ちゃん返りは見られますよ。
ここからは、赤ちゃん返りの原因になるものを具体的に紹介します。
環境や生活の変化
- 弟や妹が生まれて生活リズムが変化した
- 引っ越した
- 保育園や幼稚園に行くようになった
- 親と一緒にいる時間が減った
このように自分を取り巻く環境や生活の変化を感じ取り、赤ちゃん返りすることがあります。
また、お母さんが弟か妹を妊娠中の場合も、これからの生活の変化を予想して不安になったり、親の心の状態を敏感に察したりして、赤ちゃん返りにつながることがあるでしょう。
親の関心や愛情の再確認
弟や妹が生まれると、子供は今までよりも親が自分を見る時間が少なくなった、自分以外のことに手をかけていると感じることがあります。
すると、自分への愛情が減ったのではと不安になり、親の気を引きたくて赤ちゃん返りをするのです。
成長に伴うストレス
たとえば、体が成長して歩くことができるようになると、必然的に転ぶことも多くなり、ストレスを感じることがあります。
また心身が成長するにつれて、成長することそのものに不安や寂しさを覚えることも。
このように、子供自身の成長に伴うストレスや不安が原因になって、赤ちゃん返りすることもあります。
赤ちゃん返りが多い年齢
赤ちゃん返りは、2〜3歳の子供に見られることが多いと言われています。
この年頃の子供は自我が芽生えるのに加え、そこから生まれる感情をコントロールしたり、言葉でうまく伝えたりできず、わがままな行動につながるのです。
ただし、赤ちゃん返りは2〜3歳の子供限定のものではありません。
弟妹の誕生や環境の変化によって4歳、5歳など、小学生くらいまでは赤ちゃん返りする可能性があると考えておきましょう。
赤ちゃん返りへの対応
赤ちゃん返り中の子供への対応に困る親は多いです。
複数の原因が重なる場合や、子供の個性によってひどすぎる赤ちゃん返りが起こっているときは、家庭の雰囲気が悪くなってしまうことも。
しかし、赤ちゃん返りは子供の心の成長に大切なものの一つ。
以下のポイントを参考に、冷静な対応を意識してみてくださいね。
怒らない
赤ちゃん返り中の子供を理解できずイライラしたり、わがまま・乱暴な行動に怒りたくなることもあるでしょう。
しかし、怒るのは不安を感じている子供への対応としては逆効果なことも。
赤ちゃん返りは一時的なものだと考え、子供の言うことを真剣に捉えすぎないようにすると、怒らずに対応しやすくなるでしょう。
叱るべきとき、怒りたくなったときも、大声を出したり突き放したりせず、静かに言い聞かせるように話すことをおすすめします。
周囲の人の手を借りる
2〜3歳で赤ちゃん返り中の子供がいて、さらにその子の弟や妹がいる場合、上の子ばかりに手をかけてあげることは難しいですよね。
余裕を持って赤ちゃん返りに対応するためには、家族や親戚にお願いしたり、保育園、自治体の子育て支援などを利用して、親が休むことも大切です。
できるだけ気持ちに応える
赤ちゃん返り中の甘えやわがままには、できる限り応えることをおすすめします。
たとえば、頻繁に抱っこをせがまれるなら、できるだけ抱っこする。
「〇〇したい!」とわがままを言うときは、子供自身が納得するまでやらせるなど。
無理なことやしてはいけないことまで対応する必要はありません。
特に妊娠中など体調がすぐれないときは、100%対応することは難しいですよね。
しかし気持ちを受け止め、できる範囲だけでも要望を叶えることで、子供は安心感を感じられるでしょう。
コミュニケーションを大切にする
赤ちゃん返りしている子供には、親から積極的に声をかけたり、スキンシップをしたりすると良いでしょう。
このように親からコミュニケーションをとることで、子供は「自分は無条件に愛されている」と実感しやすくなります。
一緒にお風呂に入ったり、髪をとかしてあげたり、体をくっつけて絵本の読み聞かせをするなど、生活のなかでコミュニケーションの機会を増やすのもおすすめです。
お兄ちゃん・お姉ちゃん扱いしない
成長してきた子供、特に弟や妹がいる場合は、「もう○歳だから」「お兄ちゃん・姉ちゃんだから」と考えることもあるでしょう。
しかし赤ちゃん返り中の子供には、実際の年齢よりも小さいつもりで接することをおすすめします。
このように考えて接することで、親は「もっと甘えさせてあげよう」と余裕のある行動ができるようになるでしょう。
褒める・感謝する
赤ちゃん返りしている子供への対応としては、些細なことでも「すごい!えらい!」と褒める、「ありがとう!」と感謝するのが大切です。
このように対応することで、子供は親が自分のことを見ていてくれると安心し、愛情を感じることができます。
また、子供を「頑張って」と励ますときは、「〇〇ができてすごいね」「〇〇を頑張ったね」と具体的に褒める方向で声をかけると良いですよ。
赤ちゃん返りは成長のしるし
赤ちゃん返りは環境や生活の変化、成長に伴うストレスなどが原因で起こり、甘える・わがままになる・夜泣きするなどの症状が出ることがあります。
2〜3歳を中心に、状況によっては4歳、5歳など小学生くらいまでの子供にも見られることがありますが、赤ちゃん返りは成長過程の一部であり、いつまでも続くものではありません。
対応に困ることもあるかもしれませんが、今回の記事を参考に、冷静な対応を意識してみてくださいね。