小学生の平均睡眠時間

日本の小学生の就寝(布団やベッドに入る)から起床までの平均時間は9時間15分という調査結果があります。実際の睡眠時間は、それよりもやや少ないと考えられます。
ただし、年齢が上がるほど時間は短くなり、6年生は就寝〜起床までが8時間46分です。
参考:厚生労働省「子どもの生活時間に関する調査研究 [報告書概要]」
小学生の理想的な睡眠時間

米国睡眠医学会が推奨する6〜12歳の子供の睡眠時間は、9〜12時間です。
イギリスの国民保健サービスも6〜12歳は9〜12時間、オーストラリア連邦政府の保健省は5〜13歳なら9〜11時間の睡眠を推奨しています。
先ほど紹介した、日本の小学生が就寝してから起床するまでの9時間15分。もし全て寝て過ごしても、推奨睡眠時間の下限ギリギリと言えます。
参考:厚生労働省「こどもの睡眠 | 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット)」
NHS「Sleep (young children)」
Australian Government「Recommendations for children and young people (5 to 17 years)」
小学生の睡眠時間が短くなる原因

小学生の睡眠時間が理想に対して短めな原因は、以下のものが考えられます。
勉強や習い事
小学生は、学年が上がるほど勉強が難しくなり、習い事や塾に通う人も増えますよね。
下校後も勉強や習い事、それに伴う移動などで時間がとられます。
結果、食事や就寝の時間もうしろへずれていき、睡眠時間が短くなってしまうのです。
スマホやタブレット
動画やSNSの視聴、友達とのやりとりに夢中になって、就寝が遅くなるケースも少なくありません。
また、スマホやタブレットの光は、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を妨げ、覚醒度を上げます。そのため就寝直前まで見ていると、なかなか寝付けなくなるのです。
親の睡眠時間が短い
日本人は世界的にも睡眠時間が短い傾向にあり、6時間未満の人も少なくありません。
小学生の親世代は、学生時代は塾やバイトで、現在も仕事で日中は忙しく、そのために睡眠時間が短めという人が多いのではないでしょうか。
親が睡眠時間短めの習慣になっていると、子供もそのスケジュールに合わせた生活になりやすいです。
結果、子供の就寝時間が親の想定よりも遅くなる、ということに。
参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」
ストレス・不安
勉強や人間関係の悩みがストレスになって眠れないというのは、大人や中高生も心当たりがあるのではないでしょうか。
さらに小学生の場合、怖い夢を見そうで不安、夜の暗さや静けさが怖い、早く寝なきゃと考えすぎているといった、眠れない原因があることも。
小学生の睡眠不足の影響

睡眠時間が足りないと、朝起きるのがつらくなって学校に遅刻することも。
日中も眠くて、思うように勉強や遊びができません。
さらに、以下のような影響を及ぼすことも考えられます。
成績が悪くなる
睡眠は、日中の記憶を脳に固定するために欠かせません。そのため睡眠不足だと、勉強してもあまり覚えていられないという結果になります。
また、睡眠不足は集中力を低下させ、創造性や解決力の成長も妨げるため、成績に影響を及ぼします。
気持ちをコントロールできない
睡眠不足だと、イライラしやすく、怒りっぽくなることもあります。
これは、刺激に対する脳の反応が強くなり、反対に理性的な判断や衝動を抑える働きが弱くなるためです。
体調を崩しやすくなる
睡眠不足が続くと、免疫力が低下して風邪などの病気にかかりやすくなります。
自律神経が乱れるせいで、食欲がなくなったり、吐き気や頭痛、強い倦怠感を感じたりすることもあるんです。
体の成長を妨げる
体の成長には、成長ホルモンが欠かせません。成長ホルモンは寝始めてから最初の熟睡時に多く分泌されます。
夜更かしが多くて睡眠時間が不安定、ぐっすり眠れないといった状態が続くと、成長ホルモンがしっかりと分泌されず、背が伸びにくくなる、筋肉がつかないといった結果になることも。
肥満の原因になる
睡眠不足は、肥満の原因の一つになりえます。
寝不足でボンヤリしていると、日中元気に体を動かせません。
また、成長ホルモンの分泌量減少も、肥満のリスクを高める要因の一つと考えられています。成長ホルモンは脂肪の分解や代謝の活性化に関わっているからです。
小学生の肥満は、将来の病気のリスクを高めることもあります。子供だからと油断は禁物ですよ。
小学生の睡眠を整える方法

ここからは、小学生の睡眠時間をより長くとり、しっかりと熟睡するための方法を紹介します。
寝る前にスマホやタブレットを見ない
先ほど紹介した通り、スマホやタブレットの光を見ていると、目が覚めてしまいます。
テレビやゲームも含め、寝る前はデジタル機器の画面は見ないほうがぐっすりと眠れます。
読書やストレッチ、家族とおしゃべり、温かい飲み物を飲むなど、スマホ以外にリラックスできる過ごしかたをしましょう。
寝る前は間接照明をつける
寝る1〜2時間前にはオレンジ色の間接照明をつけるのがおすすめです。
夕焼けのような色で、明るすぎない照明は睡眠ホルモンの分泌を邪魔せず、自然と脳を眠りモードにしてくれますよ。
お風呂は寝る1〜2時間前
寝る1〜2時間前に40度ほどの湯船に浸かると、眠りやすいですよ。
体の深部の温度が上がると、元の体温に戻すために熱を放出します。活発に熱が放出されて体温が急に下がると、眠気を誘うのです。
眠れないときは無理しない
「頑張って寝なきゃ」なんて考えていると、かえって眠れないものです。
部屋や布団が暑すぎたり寒すぎたりしたら調整しましょう。深呼吸でリラックスするのもおすすめです。
もしそれでも眠れないときは、一度ベッドを離れるのも良いですよ。眠れないのにずっとベッドにいると、「ベッドは眠れない」と脳が記憶してしまうからです。
温かいお茶を飲んだり、軽いストレッチをしたりして、のんびりと過ごしましょう。
朝起きたら日光と食事
睡眠の質を上げるには、朝日を浴びて朝食をしっかりと食べましょう。
朝日を浴びると体内時計がリセットされます。
夜の睡眠ホルモンの材料になるセロトニンも分泌され、自然と眠くなりやすくなります。
朝食をとることも体内時計を整える助けになります。
特に、乳製品や大豆製品、バナナなどはメラトニンの材料になる栄養素を含んでいるため、朝食メニューにおすすめです。
就寝・起床時間を固定する
日によって寝る時間と起きる時間が全然違うという人は、できるだけ同じ時間になるよう整えましょう。
極端に夜更かしや寝坊をする日があると、体内時計がずれて、寝るべきタイミングで寝られなくなることがあります。これを「社会的時差ボケ」と言います。
まずは、朝起きる時間を一定にしましょう。休日も早めに起きれば、より早く夜の眠気が来て、就寝・起床時間を整えることにつながります。
小学生は 9時間以上の睡眠を目指そう!
小学生の理想的な睡眠時間は、9〜12時間です。しかし実際は、布団に入ってから起床までが9時間程度と、下限ギリギリになっている小学生が多いと言えます。
睡眠時間をより長く確保するには予定を整えるほか、寝る前の過ごしかたを見直すのも効果的ですよ。
(写真協力:上野美歩、河村美空、久保木愛海、小堀きい)